英霊に誓う靖国神社参拝

平成29年8月14日(月)

八月十五日の終戦の日を迎え
靖国神社に参拝するにあたり、
次のことを記しておきたい。

八月に入り、
テレビ画面で、戦争中の悲惨で残酷な映像を見る日々が続いてきた。
そして、その戦争の中で、戦死した人々を、
無意識のうちにも、
平和な現在とは全く異なる悲惨で異常な時代の犠牲者、
つまり、現在の我々とは無縁の気の毒な人々として位置づけてしまいがちである。
しかし、英霊の命は、
日本を守るために捧げた命である。
そして、その日本とは、過去現在未来を貫く日本だ。
従って、英霊は、
過去のその時点の日本に留まっているのではなく、
現在の日本と共にあり、
現在の日本を守っている。
つまり、英霊と我々は一体なのだ。
我々も、一旦緩急あれば、英霊と共に日本を守らねばならない。

英霊の生きた過去を現在とは関係の無い「異常な時代」として片付けるということは、
過去の実態を直視しないということだ。
過去を直視しない者は、
現在の実相を直視することもできない。

先に紹介したスイス政府が編纂して全スイス国民に配布している
「民間防衛」のまえがきに次のように書いている。
 
 われわれは、脅威に、いま、直面しているわけではありません。
 しかしながら、国民に対して、責任を持つ政府の義務は、
 最悪の事態を予測し、準備をすることです。

その上で、スイス政府は「民間防衛」において、
核攻撃を受けた際の被害を、
急襲されたとき、警報があったとき、全員が避難所にいたとき、
の区別に従って推計し、
それぞれ、国民の安全率を35%、60%、90%と説明したあとで、
さらに、核爆弾の規模に応じて、爆発後に、
避難所(核シェルター)から外へ出ても安全な時間を国民に告げている。

このように、脅威に直面していないスイス政府といえども、
「最悪の事態」を予測し、
核シェルターを造り、核爆弾からの安全対策を国民に説明しているのだ。
では、
脅威に直面していないスイスではない
脅威に直面している我が国政府は、
政府の義務として「最悪の事態」を予測し、
そこから国民の安全を確保する準備をしているのか!?

北朝鮮は、ミサイル四発をグアム島周辺に打ち込む包囲攻撃計画を公表している。
これに対してアメリカのトランプ大統領は、
この計画実施を、宣戦布告とみなし、
あらゆる手段をとる、未だ見たこともない惨害を北朝鮮に与えると公言している。
つまり、アメリカ大統領は、相手が先に拳銃を抜くのを待ち構えている。
即ち、
我が国は、今、脅威に直面し、「最悪の事態」を想定しなければならない時である。
そして、この「最悪の事態」においては、
我々は、英霊の思いを我が身に蘇らせて、国を守らねばならない。

北朝鮮は、グアム島に向けたミサイルを、
島根、広島そして高知の上空を飛ばすと公言している。
我が国は、そのミサイルを打ち落とすのか、
グアム島に弾着してもかまわないと呆然と見送るのか。

八月十五日の靖国神社そして全国の護国神社では、
過ぎ去った時代に生きた英霊を追悼するのではなく、
英霊の守ろうとした日本を、
我らもまた守ると誓い、
その誓いを英霊に伝えよう。

 

西村眞悟の時事通信より。