必見 本日の産経新聞「正論」、キューバ危機より説き起こす

平成30年3月7日(水)

本日三月七日の産経新聞朝刊「正論」は、
朝鮮半島情勢に関して、
福井県立大学島田洋一教授が執筆している。
まことに、見事である。
この島田さんの「正論」は、
流動する国際情況の歴史と地政学的つながりのなかに現在の朝鮮半島危機を位置づけ、
この現在の危機を、
歴史から抽出した「キューバ危機」と「イラク戦争」と「中共のインドへの軍事侵攻」
との関連性の中で捉え、
立体的に眼前に見えるが如く解説したものである。

特に、一九六二年十月二十日、
アメリカのホワイトハウスと全軍が、キューバに集中し、
デフコン2(準戦時体制)が発動されて
戦略爆撃機が核爆弾を搭載して二十四時間飛行し、
世界が核戦争勃発かと震え上がっていたときに、
中共
中印国境の東西両面から、突如インドに侵攻して不意を突かれたインド軍が潰走し、
インド領内の占領領地を確保したとの指摘は、
実に見事だ。
この中共の、「力の空白」、「関心の空白」を必ず突くという
火事場泥棒専門のロシアも負ける不意打ちの性癖(これが孫子の兵法)、
これが、本「正論」において日本国民知るところとなったのは、
まことに有意義だ。
今、朝鮮半島危機と同時に、尖閣と沖縄と台湾が危機なのだ、
このことを広く日本国民が知るからである。

時あたかも、
この「正論」が掲載された同紙の一面には、
「南北首脳会談 合意」
との大見出しがあり、
その見出しの下の写真では、金正恩が笑顔で韓国の特使と握手している。
四月下旬、韓国の文在寅大統領と北朝鮮金正恩が会談することが決まったという。
これに関しては、
度々引用する平成28年2月10日の産経新聞
古田博司筑波大学大学院教授の「正論」にある
見出し、「南北の政略劇にだまされるな」
本文、「金大中盧武鉉政権時代の国家支援と秘密支援の蜜食いが体質化し、
その後もオドシとタカリを繰り返すようになったのである。」
とだけ記せば充分だろう。
現在の文在寅大統領は、この国家支援と秘密支援の実務担当者である。
彼ら「南北首脳」は、
午前中は、鬼を憎むような顔で罵り合っていても
午後はケロリと天使を抱くような笑顔で握手できるのだ。
かつて、
今となっては懐かしい朴槿恵大統領が、
朝から晩まで日本の悪口を言っているとき、
特定失踪者調査会の代表をしている朝鮮専門家の荒木和博氏に、
「あの朴さん(義父と士官学校同期)の娘、
いずれ日本に経済支援を求めることになりそうなのに、
あれだけ日本の悪口を言っておれば、
日本に頼めないじゃないか。
心配してやるよ。」
と言うと、荒木さんはニヤリと笑い、
「全然心配いりません」
と言って私の腕に腕を回して私の腕を引き寄せて、
「昨日まで怖い顔をしていても、
今日になればこのようにして、
『ねえ、西村さん、古い付き合いじゃないですか、助けてよ』と
ニコニコして言える人たちなんです。」
と、いうことだ。
朝鮮半島に、何度も、何度も、欺されていてはならない。
個人はともかく、特に国家は欺されてはだめだ。
注目点は、
米韓合同軍事演習が実施されても、首脳会談が実施されるか、である。
アメリカのトランプ大統領は、文大統領が渋ろうと、韓国軍が小規模参加でも、
断固として大軍事演習を実施しなければならない。
そして、アジアを守る眼目は、昨日の時事通信で強調したように、
日米合同軍事演習の開始である。

キューバ危機、
それは、一九六二年(昭和三十七年)、
丁度私が中学二年の時だった。
その時、地理の授業で海軍兵学校出身の山崎卓三先生が
キューバとアメリカの地図を黒板に書いて次のように言った。
「これは、アメリカの喉元にソビエトがナイフを突きつけたということだ」
この山崎先生の言葉は、未だに忘れない。
それ故、昨日の時事通信で、
ロシアのプーチンが、国後、択捉にミサイル基地を造ったことを
「我が国の喉に短刀を突きつけたに等しい」と書いたのだ。

この山崎卓三先生は、終戦時、駆逐艦の士官だった。
授業中、小樽をアメリカ軍機から守った時の情況を説明して、
俺たちが弾幕を張ったので、敵さんの落とした爆弾は街に落ちずに海に落ちた、
と言い、「小樽の街は俺たちが守ったのだ」と締めくくった。
終戦の時、舞鶴に戻る際、
日本海から「ロ助の方に、残った機関砲弾を撃ちまくった」と言っていた。
士官の中には、このまま南方海域に行って海賊になろうという者もいたとも言っていた。
しかし、艦長が妻子のある兵隊もいる、と言って舞鶴に入って陸に上がったという。
中学高校の授業中のことで、覚えているのは、このことだけだ。
なお、卒業後、
「小樽の街は俺たちが守った」の話が出たとき、
山崎先生は言った。「小樽に好きな人がいたんや」と。
今後の義務教育教育改革とは何か。
自衛隊のOBを多数、
地理や歴史や社会の先生に採用して、
子供達に時々、教科書以外の血湧き肉躍る話を聞かせることだ。

 

 

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