アジアの歴史が動き始めた、仮想敵支那!

平成30年4月11日(水)

いよいよ、歴史が回り始めた。
それが、分からないのは、
「森友と加計と日報の入ったビン」のなかでそれを追いかけ回している、
あまりにも惨めで低級な「日本の国会」だけだ。
雨もなく、地震もない。何の予兆もなく、
突如、十一日午前三時五十分ころ、
大分県中津市耶馬渓町の山が、大規模に崩れて四棟の民家を呑み込んだ。
天は、憲法九条に縛られた「戦後日本全体」の運命を、
この四棟の民家をして指し示しているのだろうか。
古来、我が国では、天変地異は一つの警告である。

昨年来、北朝鮮の三代目の連続花火のようなミサイル打ち上げと核実験で、
朝鮮半島ばかりが関心を集めていたが、
米朝首脳会談発表を切っ掛けに、
今まで背景にいた中共習近平主席が、
「封印列車」で北朝鮮の三代目を北京に呼びつけて、
支那の朝鮮に対する伝統的な優越関係を見せつけながら、
全人代において、
自らが中華の皇帝となるように憲法の改正を行い、
中華民族による世界主導」を掲げて強国建設推進を宣言したのである。
歴史で繰り返されてきたように、
朝鮮半島を切っ掛けにして中共が動き出した。
しかも、この度のその動きは、アメリカの力の後退を見越したうえで、
アメリカに代わってアジアの覇権を目指す、
にわか成金が、老舗を押しのけるような動きだ。

では、我が国は如何に動くべきか。
それは、経済活性化だとか、
今の国会のように、公文書の管理の仕方を改めるとか、
シビリアンコントロールを正すとか、
ではない。断じて違う。
まず、我ら各々、
戦後の発想を捨て去って戦前戦後の連続性を取り戻し、
国家と民族を断固として守るという覚悟を明らかにすることだ。
この覚悟があれば、
如何なる激動においても、国家防衛は掌中にある。
以下は、この問題意識から、
月刊日本」誌の私の連載欄に投稿した一文である。
ご笑覧頂ければ幸甚なり。

           記

本年平成三十年の三月、
中共中華人民共和国)の国家最高機関かつ立法機関と位置づけられている
全人代(全国人民大会)が開かれ、
習近平主席の任期制限を撤廃して習主席自らの名前を冠した社会主義思想を「憲法」に書き込む憲法改正が行われた。
これによって、習主席は、
中共の創設者である毛沢東と同様の任期制限なしの権威ある国家主席となった。
その上で、習主席は、
全人代で、「中華民族による世界主導」の為に強国建設を推進し軍備を増強すると宣言したのである。
これは、いよいよ中共が、
従来の世界秩序に挑戦して、対外的に攻勢に転じ、勢力圏を軍事力を背景および手段にして拡大するという宣言とみなしてよい。
 
また、習主席は、主席になってから、
「トラとハエを共に叩く」という汚職撲滅運動を展開し、
現在までの五年間で、二十五万四千四百人の公務員を摘発し、閣僚級の高級官僚百二十人を監獄に入れるという成果を上げたと報告した。
その中には、習主席の後継者とされていた重慶市党書記で前政治局員の孫政才
ライバルであった周永康前政治局常務委員、
そして、房峰輝前人民解放軍統合参謀総長も含まれている。
 
振り返れば、毛沢東は、
自らを神格化し、権力闘争としての「文化大革命」を主導して権力基盤を固めて皇帝として君臨した。
同様に、習近平主席は、権力闘争としての「汚職撲滅」を展開して政敵やライバルを粛正してきたと言えよう。
習氏自身と習氏の一族が、汚職や地位利用から無関係とは到底いえない。
仮に、公平な汚職撲滅運動ならば、孫政才周永康もろともに習氏自身や一族も裁かれているはずだ。
従って、習氏自身や一族の汚職に目を閉じた習主席の汚職撲滅運動は
ライバルを排除するための権力闘争でしかない。
 
さらに、昨年の中国共産党大会以来、習近平氏を讃える次の歌が全国の学校で児童達によって歌われ出した(平成30年3月1日、産経新聞「正論」)。
「至るところにあなたの声が聞こえ、全国はあなたの光芒に照らされている。
・・・習大大は世界人民に愛されている。
習大大は正義感にあふれ、トラとハエを共に撲滅している。」
そして、全国の新聞や地方の共産党書記に、
習主席は、「偉大な領袖」、「英明な領袖」
そして「習近平思想はわれわれの灯台だ、進むべき道を指し示す北斗星だ」
と書いたり言ったりするキャンペーンが展開されてきた。
これは、明らかに、習氏の神格化キャンペーンである。
同時に、全国で言論が厳しく弾圧され、
教育現場に対する通達で、文化大革命を見習ったかのように、児童生徒に対し、
父母や家族に反体制的、反社会主義的言動があれば密告するように指導している。
 
以上、習主席は、
明らかに毛沢東の権力闘争と自己神格化の路線を踏襲して現在に至っていると言える。
しかし、考えてみれば、
習氏自身が、毛沢東によって、父親は反党分子として粛正され、
自身は僻地に送られて少年青年時代を送った文化大革命の犠牲者である。
この彼が、何故、毛沢東文化大革命路線を踏襲しているのか。
このことを、満州人の明霞さんは、
彼は、幼い頃に僻地に送られ、
毛沢東の権力しか知らない人間、
毛沢東の権力を身に沁みて知った人間だから
自分が権力者になれば毛沢東を踏襲するのだ、と言っていた。
 
この毛沢東の権力しか知らない習近平主席が、
毛沢東時代には想像も出来ない
巨大な軍事力と経済力を有するにいたった中共の主席として君臨し、
アジアインフラ銀行(AIIA)や
ユーラシアのインフラのための「一帯一路」を掲げ、
中華帝国による世界主導」の為に強国建国の推進を宣言して、
核ミサイルを中心とする海空の軍備増強に乗り出してくる。

では、この習近平のAIIAや「一帯一路」を如何に受け止めればいいのであろうか。
つまり、この戦略目的な何か。
 
ここにおいて、歴史を振り返り、
一つのモデルを想起する必要がある。
それは、日清戦争直後の露清密約である(明治二十九年、一八九九年)。
日本に対する三国干渉で日本を屈服させたロシアのウイッテと清国の李鴻章は、
密かに対日攻守同盟を約するとともに、
李鴻章は巨額の賄賂をロシアからもらって満州をロシアに売り渡すのである。
その売り渡し方は、
ロシアに満州の鉄道施設権を与え、露清銀行を設立させるというものである。
つまり、李鴻章は、
ロシアに「鉄道と銀行」による満州侵略を認めたのだ。
その現在の「鉄道と銀行」が、
習近平主席の「『一帯一路』とAIIA」なのだ。
中共は、ユーラシアの国々に巨額の金を貸し付けて縛り上げ、
「鉄道」だけではなく高速道路、港湾、空港やコンビナートなどを建設することにして、大量の蟻のような中国人労働者を投入してくるであろう。
その中共が当該国に貸し付けた巨額の金は、
その蟻のような中国人労働者の賃金と中国製機材の代金として中国に還流し、
当該国には巨額の借金の返済と、
そのまま居座った郷に入って郷に従わないおびただしいイナゴのような中国人街が残る。
これは、明らかに、シナ特有の乗っ取り、である。
かつての「鉄道と銀行」による侵略の現代版だ。
 
そして、確実に予測できることは、
中華民族中華帝国の再興を皇帝として宣言した習近平は、
もうすぐ、かつてチャップリンが、
ドイツのヒトラーの貧相な実態を見事に描いた
映画「独裁者」の主人公ヒンケルのようになるということだ。
従って、その彼の頭の中には、
ユーラシアの各地から北京に来た国の元首が
自分の前に三跪九叩頭の礼をして臣従する様が走馬灯のように巡っているだろう。
そして、少年期の境遇故に、人間的感性の乏しい彼は、
女房が女優で、ちょっとべっぴんだから、心配になって、
自分の周りの男子を、
あの中華を象徴するおぞましい宦官にするかも知れない。
 
ここにおいて、我々は、
北の樺太から海上を南下して対馬海峡から台湾海峡
そして、フィリピン西方海上からASEAN諸国の北辺に抜ける
文明の衝突ライン」つまり「中華妄想ライン」を設定する必要がある。
このラインの西と北がシナ圏で東と南が日本圏である。
 
さて、ここまで中共のことを書いてきた訳は、
我が国は、
この習近平の中華モンスターに如何に対処するか、
を決めるためである。
それには、まず第一に、
「シナに支配されるより死ぬ方がまし」か、
「死ぬよりシナに支配される方がまし」か、
を決定しなければならない。
この答え即ち覚悟は、
我が歴史と伝統より、
即ち、文明の決定的違い、により明らかであろう。
我らは、断じてシナにならない。なれるはずもない。
 
そもそも、我が国がシナと決定的に違うことは、
我が国黎明期から自覚されていた。
我々は、統治思想における、
「知らす」と「うしはく」の決定的な相違を自覚していた希有な民族である。
「知らす」とは、自他の区別がなくなって一つの家族のように溶けあうことである。
しかし、「うしはく」とは、土地と人民をおのれの所有物として支配すること。
そして、我が国は、
この「知らす」を国の始まりから統治原理とする万邦無比の国である。
 
天照大神の使者が出雲の浜に上がり、
大國主に「爾のうしはく国は我が御子の知らす国である」と告げた。
すると大國主は自分の国を天照大神の御子に譲り、
我が国は「天皇の知らす国」となった。
これが我が国の黎明である。
それ以来一貫して現在も、我が国は、「天皇の知らす国」である。
その間、西方のシナでは、
どれだけの数の王朝が亡びては生まれ、生まれては亡びたか。
現在の、中華人民共和国も、
またうたかたのように亡びる。
我々は、
中国共産党独裁体制と北朝鮮の金独裁体制が崩壊するのを、
確実に、この目で見ることになる。
 
以上が、大観である。
我が国は、この大観の元に、
日本を信じて恐怖を克服して苦難に堪えねばならない。
何しろ、先に設定した「文明の衝突ライン」で明らかなように、
三十八度線が対馬海峡に南下するのだ。
我らは、海を隔てて直に大陸の圧力に直面する。
かつて、元と対峙した如く。
よって、軍事衝突必至。
しかし、我らは怯まない。
これから、軍事的に如何なる防御ラインを構築するか。
これを腹を決めて熟慮し断行しよう。

 

 

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