我らの使命は、北朝鮮と中共の独裁体制が崩壊するのを見ることである

平成30年6月20日(水)

六月十二日に、シンガポール
アメリカのトランプ大統領北朝鮮金正恩労働党委員長の
「歴史的首脳会談」があり、
十三日の新聞の見出し流に表現すれば、
「北、完全非核化を約束」、
「米、北の体制保障表明」
となった。
そして、
例によって事後の解説を色々な解説者がしゃべる数日を経て、
「非核化」とは何のことか、「体制保障」とは何のことか、
分かる解説に出くわさなかった。

そもそも国家は、
戦争しながら世界平和を約束することもできるし、
核実験をしながら広島で核廃絶を誓うこともできる。
従って、北朝鮮にとって、
核を持ちながら非核化を約束するくらい朝飯前だ。
また、北の「体制保障」とは一体何だ。
北朝鮮民衆が、
あの独裁者を打倒しようとして立ち上がった時、
ドイツのヒトラーが、
反対勢力に監禁されたイタリアのムッソリーニを特殊部隊によって救出したように、
アメリカのトランプ氏は、北朝鮮金正恩を特殊部隊を派遣して救出し
金正恩を糾弾する北朝鮮民衆を弾圧するつもりか。

また、そもそもあの十二日の会談は、
「首脳会談」だったのか。
トランプ氏が相手にしていた太った三代目は、
実は、習近平の特命大使ではなかったのか。

三代目の金正恩は、
米朝首脳会談を自分から提案しておきながら、
トランプアメリカ大統領が、
直ちにその提案に応じたら、
慌ただしく二回にわたって中共習近平に会いに行き、
習近平金正恩を、
中共の飛行機に乗せてシンガポールに送り込んだ。
そして、今(二十日)、
金正恩は、得意になって北京を訪問し、
習近平に飛行機にただで乗せてもらったお礼を言い
会談内容とその結果を報告した。
習近平は、満足して金正恩を厚遇し、金正恩は、得意げである。
当たり前だ、米朝会談の結果は、
偉大な中華民族の復興を掲げる習近平中共に都合の良いことばかりである。
即ちそれは、
米韓合同軍事演習の中止、さらに、アメリカの朝鮮半島からの後退。
習近平にとっては、
偉大な中華民族の復興は、まず、朝鮮半島支配下におくことから始まる。
その一歩がシンガポールで始まった。
と、いうことになる。

習近平は、
北朝鮮金正恩を自分の飛行機に乗せてシンガポールに送り込み、
今、その特使から、報告を受けて満足していると言うわけだ。
そして、中華の皇帝習近平は、
朝鮮半島の北の金正恩を北京でもてなしているが、
もうすぐ、既に手下である南の文在寅を加えて、
近いうちに朝鮮半島の中華秩序の冊封体制への復帰を宣言すると満足しているはずだ。
歴史上、朝鮮半島は、放っておけば分裂してお互いに抗争しているが、
他国に支配されることによって「統一」してきた。
南の文在寅の「民族統一論」は、
結局、中華の支配下にある李氏朝鮮への回帰なのだ。

再び、自問する。
シンガポールでの米朝首脳会談は、何だったのだろうか、と。
結局、この会談は、
直後の十三日の朝刊に、
四十二年前の、プロレスとプロボクシングの異種格闘技世界一を競った
アントニオ猪木とムハマッド・アリの「世紀の一戦」が、
開始されれば「世紀の凡戦」となった「ビッグショー」と同じだと書いた
産経新聞乾正人東京編集局長の見立てが、
一番適切だと思う。

さて、最後に言っておきたい。
シンガポールの「世紀の凡戦」の試合経過の解説はどうでもいいが、
この凡戦によって見えてきている
朝鮮半島の北と南そして中共の絡み合った動きは、
明らかに、「偉大な中華世界」に朝鮮半島が南北ともに回帰していく流れである。
従って、この動きは、
我が国が明治維新によって近代国家建設を開始したときに遭遇した
我が国を取り巻く東アジアの情勢、
即ち、日清日露戦争前夜の情況を再現する動きである。

そこで、この動きのなかで、
我が国が堅持すべき普遍的な国家方針は何か。
それは、
我らが目の黒いうちに、
共に邪悪な、
北朝鮮の独裁体制と
中国の独裁体制が
崩壊するのを、
この目で見る、ということだ。

昨年の六月十三日、百三歳で亡くなられた
満州特務機関員の門脇朝秀翁は、
亡くなる直前にこう言われた。
 君らは、いいなあ、
君らは、自分の目で北朝鮮中共の独裁体制が崩壊するのを見ることができる。
私は、予言はできるが、
この目で見ることはできないよ。

明治維新の志は、
「万人保全の道をたてる」(五箇条の御誓文)ことである。
北朝鮮に拉致された同胞の救出は、
この明治維新の志を果たすことである。
それは、米朝首脳会談(世紀の凡会談)で成るのではなく、
北朝鮮の独裁体制崩壊によって成る。
さらに、
アジアの万民保全の道、
即ち、我が国の志は、
北朝鮮の独裁体制と、中共の独裁体制の打倒によってもたらされる。
この我が国の使命、志を、
北極星の不動なるが如く堅持して
その目的を達成し、以て、人類の幸せに貢献することが
万世一系天皇を戴く
我が国と日本民族の使命であると確信する。

そのために、今、成すべきことは、
我が国にとって、過酷な方向に流れている東アジアの情勢に対処するための
「平和を維持するための戦略」
即ち、軍事力の増強だ。
古代ローマ曰く、平和を望むならば、戦いに備えよ、と。

 

 

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