安倍総理、G20における日本の歴史的責務を自覚されたい。

令和1年6月25日(火)

六月二十八日と二十九日、大阪でG20が開催される。
世界の主要国G7にEUとロシアが加わり、
さらにインドや中国そしてオーストラリア、韓国、ブラジル、メキシコ、インドネシア南アフリカ、トルコ、サウジアラビア、アルゼンチンなど十一カ国
合計二十カ国の首脳が大阪に集まる。
そして、
ホスト国である我が国の安倍晋三総理大臣が会議を仕切ることになる。
このG20で、
アメリカと中国とロシアの
トランプ大統領習近平主席とプーチン大統領が、
大阪で日本の安倍総理の仕切りの下で一同に会するこになる。
これは、現下の国際情勢のなかで象徴的な意義をもつ。
従って、このG20が如何なる国際情勢の台流、
もっと大きく見れば、
如何なる歴史段階の中で行われるものであるのかを概観しておくことが必要である。

まず第一に、
この度のG20という会同は、
東アジアにおいて「第二の冷戦」が始まった時期に行われると指摘したい。
「第一の冷戦」は、
第二次世界大戦後からベルリンの壁が崩壊して
一九九一年十二月のソビエト連邦共和国が解体するまでの
自由主義陣営と共産党独裁陣営の対立であった。
当事国代表は、それぞれ、ソビエト連邦共和国とアメリカ合衆国
これに対して、
現在始まった「第二の冷戦」は、
中華人民共和国に終身独裁者習近平主席が誕生し、
アメリカ合衆国トランプ大統領が誕生したことを切っ掛けとして始まった。
アメリカのトランプ氏には、
米中貿易戦争を始める時に、明確な自覚はなかったとは思うが、
人類の幸福にとって、
まことに意義ある歴史的「冷戦」を開始してくれたのだ。
この一点で、彼、トランプ氏はアメリカ大統領として歴史に残る。

この「第二の冷戦」の本質は、
前の「冷戦」が
近現代に生まれた自由主義共産主義とのイデオロギーの対立であったのに対して、
人間存在の、もっと、根源的な、情動的な、人間の太古からの生き方に根ざす
文明の衝突」といえる。
このことは、
地理的に支那に近い日本人の観点から言うのが一番分かりやすい。
つまり、これからの冷戦は、
欲望に走るイナゴの群れのような無数の人民を支配する
支那的独裁権力の地球規模の支配圏拡大を拒否する
「人間の自由を主体とする文明」と、
中華民族の復興を掲げて世界支配を拡大しようとする
「おぞましい文明」
との衝突である。
何故、「おぞましい」のか。
それは、中華民族を率いる独裁権力の特色と本質が
権力者の欲望に奉仕する為の宦官を必要とする腐敗と堕落であり
外部の被支配者に対する残虐性であるからだ。
これは、唐であれ明であれ清であれ現在の中華人民共和国であれ不変である。
現在の中共が、
政権内部に持つ腐敗!
ウイグルチベットにモンゴルに何をしているか!
文化大革命で自国人民を二千万人殺し、
三十年前に天安門広場で人民に何をしたのか!

西暦八九四年、
菅原道真は、遣唐使を廃止して支那との交流を中止した。
この廃止の理由は、
菅原道真が、宦官が権力を左右し人肉を食らう支那の惨状を知ったからだけではなく、
遣唐使と交換する形で日本に来た支那人達のおぞましさを見たからである。
明治十二年、
情報将校として活動を開始した福島安正陸軍中尉は、
支那人になりすまして五ヶ月間、清国を偵察し、次の通り報告した。
「上は皇帝、大臣より、下は一兵卒まで官品の横領、横流しを平然と行い、
収賄をやらない者は一人もいない。
これは清国のみならず、
古来より一貫して変わらない歴代支那の不治の病である。
このような国は日本がともに手を取ってゆける相手ではありえない・・・。」

今まさに、太古から同じ「このような国」が、
世界の自由主義経済システムにダニのように寄生して世界からカネを吸い上げ、
国と十数億の人民ごと守銭奴となり、
この守銭奴が、核弾頭ミサイルを実戦配備したモンスターとなって
世界に覇権を拡大しようとしている。
これが、「第二の冷戦」の開始である。

従って、
この支那と「文明」を異にする我が国こそは、
旗幟を鮮明にしなければならないのであって、
この度のG20は、
まさに、その旗幟鮮明の機会である。
ゆめゆめ、安倍総理は、
アメリカのトランプ大統領の次に
中共習近平主席を国賓として日本に招きたい、
というような認識で習近平氏に対応してはならない。
中共は日本の主要都市に照準を当てて核弾頭ミサイルを実戦配備しているのだ。
これ、完全に、我が国と仮想敵国同士ではないか。
すでにまやかしの「日中友好」時代は終わっている。
従って、安倍総理は、
日本の大阪に来た習近平主席に、
まず、
実戦配備している貴国の核弾道ミサイルの照準を、
我々のいる大阪から外して来日したのか?
と尋ねたらどうか。
 
次に、ロシアであるが、
安倍総理プーチン大統領は、既に二十数回会談しており、
お互いに、ウラジーミル、シンゾウと呼び合う仲で個人的信頼関係ができている、
と、安倍総理は思っているようだ。
しかし、プーチン氏は、
ソビエト連邦共産党員として、
情報機関、秘密警察であったKGBソ連国家保安委員会)に入って頭角を現した
ブレジネフの手下の共産党エリートである。
その共産党エリートとは、
無理難題に処してたじろがず、
手段を選ばず、
親友を裏切ることを屁とも思わない者である、
と十一年間ソビエトの収容所に抑留拘束されてロシア人の本質を知り尽くした
内村剛介北海道大学教授が言っている(同氏著「ロシア無頼」)。
プーチン氏の、
政敵を次々と殺害し、
ソチ冬期オリンピックに世界の耳目を集めておいて、
一挙に軍隊を侵攻させてウクライナのクリミアを軍事力で奪った手法を見ると、
彼はまさに内村剛介氏がいう共産党エリートそのものである。
友と思い込んでいる安倍晋三氏を裏切ることを屁とも思っていない。
従って、彼は、
日本に北方領土を返還する気など毛頭無く、
ただ日本からの経済的利益と得るために笑顔で来日するに過ぎない。
そして、「第二の冷戦」においては、
クリミア武力併合で対露制裁を実施しているアメリカの敵は中共であるから、
敵の敵は味方で、プーチン中共に付く。
現在、中露蜜月である。
従って、安倍総理は、プーチン氏に対しても、
冒頭の挨拶で次のように尋ねれば良い。

以前に来日した貴殿の前任者であるエリティン大統領は、
空港に着くなり、
ミサイルの照準を日本から外してから来たと言った。
貴殿も外して来たのかね?
 
以上の通り、
二十八日と二十九日のG20では、
大阪に「第二の冷戦」における「アメリカと日本陣営」と
中共とロシア陣営」が相対するという図式になる。
そこで、繰り返すが、
我が国が覚悟を決めるべきことは、
「第一の冷戦」ではアメリカ任せでよかったが、
「第二の冷戦」では、日本が「文明」の名において、
主体となって、
中共覇権主義を阻止しなければならないということである。
何故なら、
この冷戦に於いて中共は、
台湾併合どころか
一挙に尖閣併合から沖縄本島併合に進む方針であり、
これと同時に、
日本本土を併合することを目指しているからだ。
中共は、日本に繋がるシーレーンを支配すれば日本併合は成ると判断している。
そして、日本を飲み込めば、
世界支配は掌中に入ると見切っている。

我が国は、つい最近までこの中共に総額三兆円以上のODA援助を実施して、
現在の習近平に率いられたモンスターを育てたのだ。
その中共は、中距離核弾頭ミサイルの実戦配備数は世界一であり、
毎年、日本を囲む近海で
中共とロシアの海軍が多数の軍艦を展開して合同軍事演習を実施していることを知らねばならない。
中共は、国際法を無視して南シナ海に人口島を建設して
ミサイル基地や海軍や空軍の基地にして、
我が尖閣周辺を中共の海の如く不法占拠し、
途上国に債務の罠を仕掛けて返済不能に陥らせてその港湾を召し上げている。
これが習近平の「一帯一路」戦略のからくりだ。
日本を含む自由な民主主義国は、
この所業を見て見ぬ振りをしてはならない。
最後に、
この中共が仕掛けている「戦争」の内容を指摘しておく。
それは、
「Other Than War」
というもの、
つまり、
「戦争で無いようで実は戦争であり戦争のようで実は戦争ではない」
という、思想戦、宣伝戦、
大量の観光客送り込み、
広大な土地買い占め、
歓楽地への蛇頭進出・・・等々、
これが中共の「対日戦争」なのだ。
彼は、この「戦争(other than war)」を既に開始している。
そして、この「戦争」に無防備で寝ているのが、
この度のG20のホスト国である日本だ。
危ういではないか!

よって、
この度のG20を、
この中共の仕掛ける「Other Than War」への
世界的反撃の第一歩になるように仕切るのが
ホスト国の総理の、
人類への文明論的責務である。

 

 

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