空母を造るということ・・・覚悟して空母を造れ

平成30年12月18日(火)

海上自衛隊は、十年以上も前から、「空母の形をした護衛艦」を運用してきた。
舞鶴で、その「空母の形をした護衛艦」の最初の船である
おおすみ」を見たとき、
これ、空母の形をしているから「空母」やないか、と思ったが、
所有者の説明は「空母の形をした輸送船」であった。
「ものは、言いようやの~」、
と思った。

そして、本年十二月、
政府は、「空母の形をした護衛艦」である「いずも」
排水量1万9千トン、
長さ248㍍
を「空母」にすると発表した。
この船は、
帝国海軍の空母「倉龍」(排水量1万5千トン、長さ227㍍)よりも大きい。

「空母」にするということは、
その甲板から最新ステルス戦闘機F35Bが発進着艦するということだ。
そこで、政府は、
またも「ものは、言いようやの~」式の説明をしている。
この「空母」は、
攻撃的ではなく専守防衛的であると。
あほ!
「いずも」は、
海に浮かべるだけで動かしません、攻撃されてから動きます、
とでも言いたいのか。
そんなら、初めから、動かん陸に滑走路を造れ。

膨大な国費を投入して海に浮かぶ「展示品」としての「空母」を造ってどうする。

そもそも「空母」とは海上を速やかに動く、
機動打撃力なのだ。
従って、「空母」を造るということは
「空母機動部隊」を造るということだ。

そこで、課題がある。誤魔化さずにこの課題を解決すべし。
それは、
「空母いずも」を動かす艦長以下乗組員は海上自衛隊であるとして、
そこから発着艦する艦上戦闘機艦上爆撃機は何処の所属にするのかということだ。
つまり、航空自衛隊(空軍)か海上自衛隊(海軍)か、どっちだ。
回りくどく言うよりも、
海軍が船を運用し、それとは別に、
その船から攻撃に飛び上がる飛行機を空軍が運用して
戦争に勝てるのかどうかを考えねばならない。

小生は、空母の運用と空母から飛び立つ攻撃機の運用には、
一糸乱れぬ連携、一体化、がなければならないと考える。
従って、我が国が「空母」を造る以上、
同時に海上自衛隊に、
攻撃機爆撃機保有する海上自衛隊航空隊(海軍航空隊)を造らねばならないと考える。
では、航空自衛隊(空軍)を如何に位置づけるのか。
それは、航空自衛隊は、
戦略爆撃空軍」として機能させねばならない、ということだ。

それは、
自衛とは何か、
を考えれば自明のこと当然のことではないか。
我が国のように海洋国家の自衛に関しては、
既に二百年前に同じく海洋国家イギリスのキャプテン・ドレークが
大陸のナポレオンと戦った経験から、次の通り、明確に言っている。

イギリスの防衛ライン(自衛権の発動ライン)は、何処か。
イギリスの海岸か?
イギリスと大陸の間の海の上か?
いや、その何処でもない。
イギリスの防衛ラインは、大陸にある敵基地の向こうだ。

この通りではないか。
従って、海洋群島国家である我が国の防衛には、
空母機動部隊と
海を渡って敵基地を撃破する戦略爆撃空軍、
そして、海兵隊
が死活的に必要なのだ。

 

 

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